6.28.2012

にんじんは食べなさい。

人参は是非食べてもらいたいもの
決して天然染色などと称して使ってほしくないものの一つです。

見るからに奇麗な色をしているからなのでしょう
そんなものが染もの材料として使えるかもしれない・・・と想像してしまうのは
いたし方ないことか、いえいえ、そりゃ大変。

独創性豊か?な、根も葉も無い無謀な方法を「天然染色」と称して
教えている人にとうとう出会いました。

天然染色の地元の先生 なそうな 
しかも十数年もやっているとのこと、
その自分を信じて止まない、あまりに堂々とした とんでもない手法の解説ぶりを
何も云わず ただただ 聞き入ってしまいました。 

生徒さんは、なんと天然染色センター開設のために尽力を注いだおばちゃんたち
大勢のおばちゃんたちを前に 先生に恥をかかせてしまっては、と、判断。

また、イタリア系NGOの援助も入っていて、染色道具購入資金と染色の先生がセット
となっているとのこと、

資金が断たれるのもそりゃ困るであろうが・・・
あの様な天然染色モドキが普及して、将来が台無しになってしまっては大変。

これは一手打つしかない! 
今日はおいしいにんじんをたっぷり食べることにしよう。 


画像は ビニール袋のリサイクル織物。
正直言って どうもあまり好きになれない ここのものづくりの一つ。
  

6.20.2012

雨季の晴れ

雨季真只中。
軽い風邪症状がもう3週間以上も続き
昨夜は鼻をかみかみ、カシミアカーディガンを引っ張り出してベッドに入りました。

そして今日、

洗濯をしました。(もちろん手洗い)散歩をしました。
気持よくメルカドで買い物ができました。
手織物職人のおばちゃんたちの会議にお邪魔してきました。
ぎゅうぎゅう詰め乗合いピックアップにはドラゴンフルーツがたくさん積んでありました。

久しぶりに見た眩しい太陽がとてもうれしく感じます。

さて、そんなおばちゃん会議の様子を
今日はビデオでお届けしたいと思います。


!これ、現地語ツトゥヒル語なのですが
地球の裏側に近い モンゴル語に少し似ているような気がしているのです・・・
如何でしょ?

ちなみに、
この会議の内容ですが、10日後に迫った イタリア国マスコミ関係者への
デモンストレーションメニューについてでして・・・
この後も ずいぶん 盛り上がっていました。

手織物職人のおばちゃんたち、
こんなんしながら、
今か今かと天然染色研修センター開設を祈っている・・・
つかの間の眩しいひと時でした。

6.13.2012

祭りだ ぼらっちょ

2012年の6月13日は 縁結びの聖人に纏わるサン・アントニオ祭。
ポルトガルの首都、リスボアのソレはとても華やかで、さぞかし今日も世界中の人々を魅了していることでしょう。


さて、ここグアテマラ・Santiago Atitlan市の中心地のとある大きな一軒家の中庭でも、
どうやらその祭り関連と思われるバンド演奏が賑やかに行なわれていました。

そんな賑やかな音を耳にして
「恋、結婚に関係するだけあって男女仲良く集いながら、艶やかな民族衣装を着た者同士の素敵なダンスを垣間見ることができそう」と、出かけてみると・・・

そこには、お酒に溺れたぐでんぐでんの男性諸氏がびっくりするくらい集まっていました。

男、男、男。ふらふら男性、踊る女性も子供も居ません。

祭りと酒はつきものですが、平日のまだお昼だというのに、その辺で寝ている人がごうろごろいて、どうやら、そんな場所に女性たちは近寄りたくない模様。

カバも写真を撮りに向かいましたが、からまれてしまい、それどころではありません。

そんな酔っ払い天国ですが、ご安心! からむといっても たかが知れていまして、
大概は「静かにして下さいね 紳士なあなた!」というと、
それ以上しつこくしてきませんので悪しからず。

マヤ系社会ではこの様な修羅場状態でも根本的に平和だなあと思いつつ・・・

ここに 働く場所がもっとたくさんできて、家族仲良く、
酔っ払いもお祭り以外では目立たないようになると もっと良いのになあと 
想いながら、連弾のマリンバの音色に平和と安らぎを感じる 今日でした。

ビデオ撮りたかった。 あー残念。
☆タイトルの ぼらっちょ とは スペイン語で酔っ払いのことでした。

あすたるえーご 

6.11.2012

天然色の定着に向かう

物事が定着することは本当に難しいものだと実感する今日この頃・・・


メソアメリカ天然染色の研究家である児嶋英雄先生のご協力を頂戴しながら、二年間かけて適正な天然染色技術普及を目指したはずの村、サンファン・ラ・ラグーナの天然染色が、一年半の間にグラついていました。

その源として考えられる事柄は、教育不足と貧困、そして自己流。染色の定義は色の一時的な繊維付着ではなく、色の定着。限られた一部の人については「吉」と出ているようですが、大半は悪い面が目立っているように感じています。関わったものの一人として、とても残念に思っています。

これらの問題については 今、グアテマラ織物関連商品を積極的に日本で展開しようとしているIloitoさんに 品質管理の観点から是正を導いてもらうものとして・・・同時に、こういった事を根底から直していくために、この地サンティアゴ市にいち早く天然染色センター施設の開設が望まれることを改めて痛感しました。

 そんな中、マヤ系手織物職人が、今最も強く望むそんな施設 Centro Capacitación de Colorantes Naturales 開設準備のためのミーティングが当該市役所にて、関係者を集めて行なわれました。

20121月に建物が建ち、その後上水道が設置されて、やっと今月末に電気設備が施されます。排水時の環境配慮具体策も見えてきました。そして、そのための資金調達もできています。次に、道具類購入と向こう三カ月の染色材料を購入するための資金援助先もなんとか見えてきました。そこまでくれば、なんとかかんとか開設はすぐそこです。そして、その先に防犯措置強化、運営管理、向こう3か月以降の染色材料調達、指導者謝礼などの資金調達が課題となっています。

趣旨ご賛同の上で資金援助してくれる方がいましたら、大歓迎です。是非お願いします。


 さて画像は、一針一針全て手作業で作られたカラフルな野鳥の刺繍が特徴のウイピルと呼ばれる民族衣装を纏う子供。今から160年前、化学染料が天然染料を駆逐して世界を席巻し、どうやら、そんな天然染色が殆ど消え去ってしまう以前に中米を訪れた冒険家ジョン・ロイド・スティーブンスが確かに見たであろう、艶やかで眩い自然界の色彩が、グアテマラのマヤ系少数民族ツトゥヒル族の都、サンティアゴ・アティトラン市を中心として、手仕事による野鳥の刺繍とともに、世界へ向けて羽ばたいていく悠久ロマンが、正に刻々と近付いているような気がしているのですが・・・如何でしょう?