12.27.2013

大いに喘ぐ年末


一難去ってまた一難、

木綿摘んで、糸手紡ぎ、後帯機で手織りをして、天然染色手染を施す全手作業ストール製作に関して新たな不安が盛り上がってきました。染で悩んだりサイズで悩んだり様々ですが・・・

問題は織作業です。

Cavaでは二種類の織を主力としています。一つは手作りなのに作りが奇麗で行儀良いもの、もう一つは手作り感が強くカジュアル感が感じられるもので、どちらも平織りで、シンプルな構造で軽量化を図りました。

前者は「行儀が良い」後者は「手作り感が強い」といってもどちらも織の完成度は高いので「なんとなく違う様な」そんな程度の違いなのですが、ABタイプをご注文いただいた依頼人には織タイプをどちらか選んでもらっておりまして(Cタイプは前者のみ)そんな確認をしている中で後者の問題が浮上してきたのです・・・

先々先週からお願いしていた手作り感の強いカジュアルタイプ「縦糸二本横糸一本もしくは一本一本の平織り」ストールが一向に仕上がらないので、訪問してあれこれ確認致しますと、「織の途中で何度も糸が切れてしまいなかなか捗らない状況」にあって(見た目は簡単なので職人はすぐそんなの容易い事とやりたがるも後悔することになる)職人が悲鳴をあげていました。

以前、仕事中に有無を言わさずぶつぶつ切れる「縦横一本一本織」については、Bタイプ450mm以上の幅のモノについて既に諦めておりましたが、二本一本については実際に何枚か作った実績がありまして一般紹介は問題外なはずだったのですが、これまた名人芸である事を改めて認識しました。

できる人にはできるが、できない人にはできない。更にできる人は少ない。と云う事がよく理解できます。
織職人を増やして製作に取り掛かったことと、時間的制約を設けた事に原因があると考えます。

職人の自信過剰や仕上がりのイメージ違いは想定内の事でもあり現在予約頂いているモノに関しては時間的余裕があることから、今のところ喘ぎながらも楽観視しています。この様なことが起きるのも愉快な現実としておきましょう。また、まだ量産してはいけないという忠告なのかもしれません・・・ 

でも、見事に出来上がりまして皆さまのお手元に届いたなら、織職人への拍手万雷をお願いしたい気分です。実際には拍手が聞こえてくるはずはないので、そんな皆様にはそんな商品を大いに自慢して頂きたいと思うのです。

明日は届くといいなあ・・・。

12.22.2013

無垢がピンクに変わる時

その時、チャットをしていたストール依頼人から「天然藍は持っているのでコチニールの様々なピンク数色で、縦の帯状がイイ」というリクエストがありました。

当初案内していた事とは異なるリクエストに、職人の一人として改めて認めて頂いた実感強く、嬉しくなってニヤニヤした瞬間でした。未熟な職人55歳、たわいなく幼いものです。

はじめは手作り感あふれる後染めをイメージしてみましたが、既存の道具では極めて困難だということに気がついて先染めを施すことにしました。

3タイプのピンク。色違いがはっきり解って、それでもそんなには違わないでしょう風が狙いです。

染料割合を工夫しながら、既成工場糸で試し染めをして改善点を掴んだタイミングで、各パートの紡ぎたて糸が隣村から届き(毎週頼んでいる事なので準備済みとのこと)本番染に入りました。

さて、いつもは織後に戴いていたモノです。糸で届いてみて、手紡ぎのぬくもりを更にたっぷり実感できました。無垢です。ムクムクです。工場糸とはまったく違います。生まれたての赤ん坊の様にふかふかしていて、傍らで仕事をしているのでしょう、薪のカマドの匂いがほんのりします。正に生き物。凄い。

染め上げました。ピンク・ピンク・ピンクいやあ愛しい。恋をしてしまいました。
早速これからマヤ伝統後帯機による織に入ります。

ちなみに以前紹介した事がある染方法とは相当異なります。カチオン剤も使わずに高価な原料もあの頃の半分近くに減らして、手間暇かけて、しっかりと染める事ができました。様々研究してみるものです。今後は後帯機による織りも実践してみようと思っています。

12.14.2013

せいこさん最高


旅人の間でも有名な、いつも明るくて太っ腹なせいこさん。

 
 
昨年は某TV局の取材に応じて、彼女が運営するグアテマラ日本食レストラン「Allala・あじゃらー」がたっぷり30分ほど紹介されたので、ご存知の方もきっといることでしょう
 
 
 
対岸の村、San Marcos la lagunaにあるそのレストランでは、日本人以外の外国人にも味噌汁や手巻き寿司が人気で、特に食べ放題で様々なプロ音楽家や自称音楽家が一堂に会する、毎月15日の寿司パーティーは大人気、開店と同時に人々が殺到します。



そんなレストラン経営者のせいこさんは 昔 美術の先生をやっていたことがあって、店内には様々ご自身が手掛けた絵や置物が飾ってあり、一種独特な雰囲気を醸し出し人々を魅了しています。
 
 
 
勿論、手作り工芸品などにも一言を持っているので「染Cava品」を紹介する時は緊張しました。でも、紹介してみるものですね! 画像の通り満面の笑み・・・今週からお店で取り扱って戴くことになりました。 あーうれしや

 
 
明日は寿司パーティー、染Cavaもカバキーニョとパンデイロ、歌で地元パーカッション奏者と共演します。オーガニックコットン・手紡ぎ・手織り・天然染色手染ストールのオーダーも入ると良いなあ・・・
 
 
 
のりのりなせいこさん画像ストールは天然藍のしぼりとコチニールで紫を施したものでした。
 

12.09.2013

なんて幸せなんだろう な 日 


数日前の事、
ビッグサイズ(Cタイプ)ストールをとても奇麗な紫と藍色に染め上げました。
二週間以上前、噂を聞いて工房に突然やってきた英語しかお話しできないお客さんから註文頂いたストールです。
嬉しいはずなのに、達成感が得られませんでした。何故?

仕事仲間であるサンファン村の職人さんには、週一ペースで様々なパターンで織って戴いていて、随分呑気・・・と思われがちですが、綿花収穫、手紡ぎ糸、手織、そして天然染料手染めを施す。この繰り返しで、問題がある都度一人頭をひねり、また仲間と頭をひねったりする日々でして・・・
 
そんな中、見本といいますか、商品そのもの数点見て「このタイプの大きなサイズが欲しい」と前述の米国人。「似たようなのはできるけど、少し違います」と染Cava、「じゃあお願い」「えっ・あ・はいわかりました三週間待って」と云い取り掛かりました。

その後、縦横一本、横糸一本の平織で、更にマヤ人伝統後帯機で幅広タイプを織るのは(足踏み高機ではほぼ無理)極めて困難なため(ぶつぶつ糸が切れて一向に捗らない)断念し、縦横二本ずつ行儀の良い仕様にして、奇麗な仕上がりとなり、また、乾季綿のため、雨季綿に比べてソフトとなり、染め上りも奇麗になったためで・・・要するに奇麗にできてしまった事が冒頭の悩みに繋がったのです。

均一な糸、織の並びが奇麗だとはいえ、手作り感の点で注文品とは、だいぶイメージが異なる仕上がりとなり達成感不足に繋がったわけなのです。

「こんなに違うんじゃー私買えませーん」と言われるのは悔しいではありませんか・・・更に二品、染だけで、ほどほど手作り感を強めるモノに改善して、そのうち一つでもヒットすればいいやと思い・・・とうとう本日がやってきてお客様に会いました。

杞憂でした。全部気に入って戴きました。
拍子抜けです。それぞれの個性と認めて頂きました。
言葉が双方自在では無くても、試着してキラキラしてくる感じが実感できました。
 
決して安いものではありませんが、お金がある分で、といって二枚お買い上げ。
その上「来年また来るから、よろしく」
・・・感謝までされて、とても嬉しい結末でした。

手から手への成せる業だと痛感しました。

また、何がどうして最初のイメージと雰囲気が異なるのかについても、誠実にちゃんと説明できました。そんなこんなな今、幸せ感に浸っています。
 
さて、画像は納品前のソレ!この件について、そして織について様々教ええ戴いた、日本でもファンが多いサンフランシスコ在住の織物作家・小林愛子さんの宿泊先へ押しかけて、プロモデルである娘さんマリさんに着用して頂いたものが、この度話題のビッグサイズ・ストール(Cタイプ)です。ちなみにグアテマラ生まれのマリさんはグアテマラらしいオーダーメイドの素敵なブーツをプロデュースしています。

ありがとうございます。全て、なにもかもに感謝しています。

12.05.2013

染Cava爽やかご近所さん

まばゆい太陽の下、染Cava工房のテラスで
御近所爽やか姉妹・チュシータとエレーナにストールを纏ってもらいました。

お姉ちゃんのチュシータは 
一番大きいCタイプの二色染(藍とコチニール紫)

エレーナちゃんのは 
以前紹介した両端にそれぞれ藍とコチニールピンクを施したAタイプ 

高貴な紫と少し濃いめの藍のはずですが太陽の下で色の印象が随分違ってきます。
 

12.01.2013

天然Cavaにつける薬は無い。 

雨季が終わり、乾季が始まる季節の変わり目に吹き荒れる風がやっとおとなしくなってきた San Pedro La laguna・Guatemalaからです。

天然「染Cava」店頭デビュー間近につき、少々浮かれています。カバを反対にして天然バカと大声で呼んで戴いてもかまいません。還暦が日に日に近づく今、こんな人生が待っていたなんて夢にも思っていませんでした。つまり気分爽快です。

店頭品の品揃えは・・・ 

店頭販売用の「天然染糸」は刺繍やら自分で織物をする人のためのものです。
しっかりした強い色に染めて、それをセールスポイントにしました。

そして、ろうけつ染Tシャツ、ろうけつ染女性用タンクトップ、個性強いデザインを提供していきたいと思います。(ブログ内で紹介しています。)

そして、心血注いだ
隣村産オーガニックコットンを手紡ぎして手織りして、天然染料で手染めを施したストールは、胸を張ってお薦めできる品です。

この自慢の3シーズンストールは2014年3月下旬の染Cava束の間帰国記念予約受付対象品です。

本日の予約用デザイン紹介画像は 天然藍の「ざっくり絞り」 

浅く染めた後に絞りを入れて更に染め上げます。染前に絞ったコチニールのピンクは自分専用で、右隣りの藍を施したものが紹介デザインです。

ちなみに背景左側の大きなサイズは米国人から受注したCタイプのストールで、ベースに藍を施して、これから紫をのせます。

何もかもが手作業で、出来上がるまでにそれ相応の時間がかかります。
 
どうか、なるべくお早目に予約お申し込み戴けることを願っています。

尚、予約に関するブログ情報は このブログの右側にある11月のブログをクリックした後、タイトル「染Cava品が欲しいって言って欲しい・・・」をクリックしてご参照ください。ご面倒をおかけします。

11.25.2013

染Cava品が欲しいと言って欲しい その3の二

色見本Aタイプ短めです(長さ1600mm)ピンクと青、真ん中は素材そのままの白です。ガビちゃんは決して背が高くはないのですが、撮影しながらサイズ的に少々窮屈な感じがしてきて、長さは1700mmから1800mm位あった方が良かったなあと少々反省しました。色合いについては、派手な配色の割には合わせやすいような気がします。

ススムさんのは薄めの藍一色で、Aタイプ長め(長さ1900mm)です。ススムさんも決して背は高くはないのですが、このくらいの長さのストールは貫禄が増します。お薦めで少し幅広のBタイプなら尚更良い感じになるはずです。綿ですがサイズの割には随分軽く感じるはずです。

 
ろうけつシャツもお二人に着用してもらいました。この日はあいにくの曇り空でしたが、丁度日光が出て色が鮮やかになりました。ススムさんのはウナギ鳥の図、ガビちゃんのは以前紹介した蛇の目三兄弟の図です。お似合いでしょ
尚、こちらの画像シャツ類をご用命の方、帰国中に実家で作成する予定です。遠慮なく申しつけください。

さて、ススムさん ガビちゃん 急な申し出を快く引き受けて戴き本当にありがとうございました。
その上ご注文まで戴いて・・・ 今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。
 

染Cava品が欲しいと言って欲しい その3の一

Bタイプ(470mm×1950mm天然染色を施す前のストールです。

ススムさんとガビちゃんに彼らが運営する日本人宿の気持ちの良い屋上で(でも、曇り空でちょっと残念)
それぞれ同じもの、お薦めBタイプを着用して頂きました。ちなみにススムさんの身長は1m68cm、ガビちゃんは155cm位です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
基本サイズA~Cタイプの詳細はこちら、前回ブログをご覧ください)

藍とペリコン(緑)、藍一色、藍とコチニール(紫)色見本です。

右画像のガビちゃん着用のストールはAタイプ(350mm×1700mm)の青と緑、下の画像が青と紫です。どちらも二色なので2000円増しの12000円になります。
 
右画像ススムさん着用のものはAタイプの幅でやや長め(長さ1800mm)で、藍一色ですが真ん中部分はそのままにして少しだけ薄い青色を入れました。また、この様にAタイプの幅で長さを調節する事も可能です。

 
 
 
 
 
 
引き続きブログに画像をアップします。次頁も併せてご覧ください
 


さて、爽やかな御夫婦、ススムさんとガビちゃんが営むSan Pedro la laguna日本人宿「Casa de Nagare カーサ・デ・ナガレ」はFacebookのページhttps://www.facebook.com/casadenagareygatos?fref=ts
でご確認ください。
一度泊まりましたが、調理場のある屋上コミュニティースペースでアティトラン湖と湖畔の村々の夜景を眺めながら飲む酒が格別でした。

11.24.2013

染Cava品が欲しいと言って欲しい その2

◎綿と綿糸
グアテマラ・ソロラ県・サン・フアン村でアリの糞を肥料にして育てた綿花です。繊維の長さは3cm程でとてもしなやかな感じがします。収穫後サンファン村糸紡ぎ名人マルタに糸紡ぎをして戴きます。
◎織(マヤ人・伝統工芸・後ろ帯機を使います。)
縦糸二本横糸二本の平織(↓画像参照)です。均等に隙間を設けて両端1cm程は隙間無く詰めました。肌触りが滑らかでとても軽い感じがします。画像をご覧ください。織作業も同じサンファン村の職人に織って戴きます

というわけで、予約したい方、以下を参考にして形状と色を選んで下さい。

自画自賛で申し訳ないのですが、効率が優先する世の中で、手にすることが容易でない、全て手作業による唯一無二で相当贅沢な3シーズンストールです。


★仕様三種類の概算寸法(長さはふさふさ部分を除きます。)と重さと価格
A. 横幅350mm, 長さ1700mm 140g, 10000
B. 横幅470mm, 長さ1950mm 210g, 12000
C. 横幅670mm, 長さ1950mm 300g, 14000

タイプBが一番のお薦めですが、着用目的にもよるでしょうから、大・中・小の三タイプとしました。また、上記以外の特別サイズについても対応できますが、横幅については後ろ帯機なので670mmが上限となります。

★天然染(染Cava
おまかせ大歓迎です。各々相談しましょう! 
藍の単色にするか、もしくは二色の配色を選んで下さい。

☆単色 
天然藍(天然染料の中では一番色落ちが少ない)を使います。濃中淡3タイプを基本色(画像参照)として、同じスト―ルに濃淡を施すのも一考です。

☆二色(+2000円、丸一日作業が増えるので金額も高くなります)
青と緑:藍をベースにして、グアテマラではお茶にして飲んだりもする「ペリコン」という植物を使って一部に緑色を施します。

青と紫:食品にも使う貝殻虫「コチニール」を使って一部に赤紫を施します。

青とピンク:片側を青、片側をコチニールでピンク、真中部分を純綿の色そのまま残します。私のお気に入りで、とても可愛いです。(次回の画像参照)


注意 洗濯は中性洗剤でぬるま湯、優しく押し洗いが基本となりますが、少しずつ色は落ちていきます。(ジーンズをイメージして下さい。)何回か洗った後、どうしても色落ちが気になると云う方には、ご近所の天然染色工房で再染色をお薦めしますが、待っていただけるのなら再帰国の際に染直しサービス致します。(染直し自在も天然染色の長所です。)

予約に関する基本情報は以上です。

更に、最近、私の住むSan Pedro La Lagunaに日本人宿をオープンさせたすすむさん&ガビちゃんにモデルになって戴いていますので、そちらも是非参考にして下さい。(次回以降・今月中に数回紹介します)

11.19.2013

染Cava品が欲しいと言って欲しい

ただ今生活拠点を置くSan Pedro La Laguna(サン・ペドロ)村から北西へ徒歩約20分、隣村のSan Juan La Laguna(サン・フアン)村は、2009年から2011年まで二年間、手織り天然染職人達と密接にかかわり合いながら過ごした思い入れ深い村です。

 

そんなサンファン村の職人さんの一人であるマルタさんには、「お母さんが村一番の糸紡ぎ名人なのだからあなたにもその才能があるはず!毎日練習すべし」などと進言して、その後随分上手になったところで「村一番に並んだかもしれない、白綿や茶綿をじゃんじゃん栽培して、それを紡いでみたら?」などとアドバイスした経緯がありまして・・・

今では名実共に村一番の糸紡ぎ名人、アリの糞・ソンポポで育てる綿花栽培も小規模ながら確固たるものとなってきていて、ご主人を従え息子4人と娘2人に娘婿1人を養う一家の大黒柱。

そんなマルタさんから「自家栽培自称オーガニック白綿をマルタさんが手紡ぎして、ニコラーサやエレーナやテレ―サが後ろ帯機で手織りした無垢ストール」を毎週一枚か二枚譲って(染cava直接購入)戴き、それに天然色を施す作業を始めてから二カ月・・・

つい最近、来年3月下旬に日本帰国が決まりまして、というわけで、そんな唯一無二な染cava

天然染色手染め・手織り・手紡ぎ・自称オーガニックコットンのストール予約賜ります。

数に限りがありますので先着順とさせて戴きます。今から取り組めば、20本くらいはできるような気がしています。製作には一本当たり最低でも4日は掛かっていますので、一日8000円として値段は32000円と言いたいところですが、諸々勘案の上、10000円から14000円に抑えようと思っています。(自分だったら飛びつくであろう的価格)

次回ブログから参考商品を一本一本紹介してみたいと思いますが・・・興味のある方、どうか「こんなの、あんなのが欲しい」と、直接メール下さい。

また、これまでブログで紹介してきたロウケツ染の品物についても、岩手の実家で最低でも三週間位は製作に取り組む事ができますので、遠慮なく申しつけください。
尚、完成品は手渡しを希望します。
また、大量発注も申し受け出来かねますので予めご了承ください。(無いとは思うが・・・)

画像は 糸紡ぎ中のマルタ と、染Cava天然藍ストールその1でした。

11.10.2013

怪鳥カバキーニョ

7.夜な夜な羽ばたく怪鳥カバキーニョの図

ロウケツ・天然藍による藍色染め

平日の日中は天然染色を行なっていることが普通ですが、金曜や土曜の週末の夜は、レストランでブラジル音楽を演奏することが多いグアテマラの日常です。

恥ずかしくて自分だけなら絶対に名乗るはずはなかったバンドの名前は、知らぬ間にギターのフェルナンドが命名して忽然と誕生した「Samba Carioa」で、(実はライブ当日にポスターを見て知った)Cariocaが意味する「リオ生まれリオ育ち」ではない平均年齢56歳の男性三人によるバンド。他にフェルナンドの弟のペドロがパーカッションを叩き、染Cavaがブラジル4弦楽器のカバキーニョと歌を担当しています。


表題の怪鳥カバキーニョは、酒を飲み、楽器カバキーニョを奏でながら、夜な夜な怪しいサンバを歌い続けるバケモノ鳥で、自由気ままに何処にでも飛んでいき、夜の良き余暇を思う存分に楽しむ、染Cava仮の姿的存在でして、「イエイエ、そんなシャツはご免被る」と、おっしゃるのは当然至極の話ではありますが、それでも、なんとも気になる方々には是非購入して頂きたいアクの強い一品となっています。

ひとまずTシャツ(勿論自分で着ています)とタンクトップを染めましたが、売れ行きによっては、この先、何度も構図を変えながら同様の絵柄を染めることになります。

この画像タンクトップの購入者は、いったいどんな方?になるのでしょうか、そんな怪鳥カバキーニョシャツお買い上げの際は一曲披露した方がよろしいのかもしれません。

さて、お気付きの方もいらっしゃるかもしれません!
家紋風の模様は酒呑みにふさわしく、ぐい飲みの底、蛇の目柄、怪鳥カバキーニョの尻尾は楽器カバキーニョです。えっ?サウンドホールが二つあるぞー、なんて野暮なことは決して言わない様にお願いします。

11.05.2013

食虫花とハエとボケ

6.食虫花を胸に貼りつけてしつこいハエを追い払いたいの図

ロウケツ・天然藍・コチニールによる赤紫染(取り扱い注意事項省略、以降同様)

スペイン人が侵略する以前にメソアメリカ地方で描かれていた版画デザインの中には、ウナギ犬やケムンパス、べしを描いた故赤塚不二夫先生の世界と同様の興味と感動を得るものがたくさんあって、とても面白いので、時々それらを模写して染めの絵柄として使用しています。

今回はそんな絵柄の中から勝手に「食虫植物」と名付けたモノで、San Pedroの借家から湖と対岸の村々を時々見ながらとても気持ちよくロウケツを施している時に、なんとも粘着質なハエが、素早いとは言えなくも捕まえる事ができないノロノロな俊敏さでまとわりついてうるさいので、ハエ退治の願いを込めて仕上げたタンクトップです。

色は食虫植物にふさわしい様に、始め全体を天然藍で染めた後にコチニールで色を重ねて、花の一部はピンク色、全体は赤紫に仕上げました。そんな手数をかけなくても、紫はカンペチェと言う木材から仕上げる事ができますが、その場合堅牢度にはあまり自信が持てないので、頻繁に洗う衣料品には堅牢度が優れている藍をベースにするのが良いと考えました。

ちなみに洗濯の際は、常識的に色落ち少ない中性洗剤を使うべきなのですが、藍をベースにしているとなんだか安心できるような気がしてきて、わざと普通洗剤(弱アルカリ性)でがんがん洗って、色落ちしていく過程が楽しくて、そんな色合いに魅力を感じています。好みの問題なのですが、自分の頭がボケていくがごとく、色もボケていく感じがなんとも宜しいような気がするのです。

さて、取り留めのないことをつらつら書いておりますが、
「これでイイのだ」は 
Cava2013年座右の銘となっているのだ。

もうすぐ2014年なのだ。平成何年かもうわからなくなってきているのだ。

11.01.2013

三兄弟と姉妹


4.蛇の目三兄弟による団子くし刺し風の図

藍の浅葱色というにはちょっと濃いかもしれません染
(注:藍の上に草木染で色を重ねたモノより弱アルカリ洗剤に強いのですが、洗濯時はやっぱり中性洗剤がお薦めです)

ロウケツ・天然藍

何故蛇の目デザインは姉妹じゃなくて兄弟なのか?についてですが、染カバは三兄弟の末っ子でして、かなり自由で甘やかされて、たくさんの人々にたくさん愛されて育ったような気がしていまして・・・つまり、作者を象徴する絵柄故に兄弟と呼んでみました。

ちなみに、蛇の目がとても気に入ったと云う、普段からたいへんお世話になっていて、その昔、美術の先生をしていたこともある日本食レストラン・あじゃら経営者せいこさんには、この画像と同じ形のタンクトップで、藍の藍色「蛇の目姉妹の図」をプレゼント致しましたが、姉妹としたのは作る段階で着る人が決まっていたからなのです・・・。

藍の藍色、青、浅葱色は根強いファンがいるので(自分もそう・・・)、アイテムとして欠かすことはできません。手数は色を重ねたモノ(多色のそれ)よりも少ないので、価格設定も他に比べて少し安くしようと思っています。そして、背なの桜も見逃せない魅力の一つ・・・と言われてみたいものです。

蛇の目姉妹はこれ!(ロウ入れ、染め上げ前、) お話はこれでおしまい
 

10.27.2013

あじゃことさくら 

 
10月25日金曜日
アティトラン湖湖畔Panajachelの日本食レストラン「はな」で、あじゃこ氏のグアテマラ出国前コンサートがありました。
 


そして、染CavaもCavaquinhoで5曲ほどショーロ曲を伴奏。


その日の彼女のステージ衣装がコレです。
前回ブログのロウ入後の画像と是非比べてみて下さい。


少々大げさですがロウケツを施した白シャツに天然藍の優しい色合いを施すことで、あたかも絵柄に新しい命が吹き込まれたような錯覚を催しました。


あじゃこ氏の今後変わらぬご活躍・ご健康・幸せを祈っています。


10.23.2013

さくらさくらとバイオリン凛


5.桜とあじゃこバイオリンの図

藍の紺青染め
(注:藍に草木染めで色を重ねたモノより弱アルカリ洗剤に強いのですが、洗濯時はやっぱり中性洗剤がお薦めです)
 
ロウケツ・藍

ブラジル音楽ショーロの練習会を行ったある日のこと、バイオリン奏者のあじゃこ氏(あだ名)から白い中古シャツを染めて欲しいとの依頼がありました。以前も書きましたが、目に見えない付着物が様々あって染めが大変になるので避けて通りたい中古シャツでしたが、ご本人の「どうなってもかまいません」の力強い発言を受けて引き受けました。


精練を二度行なって奇麗にしながら・・・伝統的な日本の歌曲をあじゃこ氏がバイオリン奏法総出演的アレンジを施した「さくらさくら」をBGMに「ああ、もう二度と一緒に演奏する機会は訪れないかもしれないのか」・・・との思いがしんみりと湧いてきて、涙ながらに(嘘)背なにバイオリンと弓と桜の絵柄をロウケツで家紋風に描きました。

渡した時の本人の喜ぶ様は大いに染Cavaの励みとなっているのは言うまでもありません。

そんなわけで、
良い話に水を差すかのごとく、ここからは宣伝です。
どうしても中古のシャツを染めたいと云う方がいましたら相談賜ります。それ相応の覚悟はして頂きますが、こちらも最善を尽くします。そして、うまく行った時の喜びは格別だと思います。そして・・・あっそれっ素敵! と言われてみたいものです。

画像は染色前のバイオリンと桜の花びら絵柄を蝋入れしたシャツ。仕上がり状態は ご本人の演奏会などできっとご覧いただけることでしょう。

10.19.2013

花見で一献、狂い咲きムラムラ


3.蛇の目三兄弟の図

藍の青と赤紫半ムラ染
(注:洗濯の際は中性洗剤使用のこと)
ロウケツ・藍・コチニール

「蛇の目」は昔からある日本のデザインの一つですが、染Cavaは日本酒の利き酒などで使用するぐい飲みの底に施してある模様を強くイメージしながら染め上げました。
 なんと、植民地時代以前の中米先住民のデザインにまったく同じ様なものがたくさんありまして、日ごろの日本酒が飲みたい気持ちと合い重なって、今後も頻繁に使っていこうと思っているデザインの一つです。  
 そして、背なの桜はご存知「遠山の金さん」的桜の花びらで、どうしてもピンク色を入れたい衝動に駆られて手間ひまかけました。
 直接素肌に着て花見宴会するには寒いでしょうが、アフター勝負時のサプライズ下着としてや、下に何かコーディネートすることも楽しみなラフな仕上がりになりました。 
 

 
 

10.13.2013

ムラの個性、染物紹介


最近染めたT シャツを紹介します。

ムラだ、ムラだ、とムラのものをどうか馬鹿にしないでください。
唯一無二、個性重視、作り手はムラ染を尊重しています。 

いかんせん たかがTシャツなので 労力の割に値段を高くできないのが難点。それでも、この辺だと 高値のモノとなってしまうのです。


1.野鳥が花を咥えて飛んでいるの図 
ろうけつ、 天然藍 コチニール、赤紫のややムラ


2.白夜に飛ぶ鳥と月
ろうけつ、 天然藍 ペリコン、緑のムラ染め
 
全て天然染色です。
他にもありますが 控え目に掲載しときます。

前回紹介した、中古シャツモノについては、本人に渡した後、ブログ掲載したいと思っています。

皆さまからのご感想をお待ちしています。

 

10.08.2013

独り悩む「染Cava」

ブログ上で中古シャツを天然染色したことを紹介したせいでしょうか、
親愛なる友人二名から中古衣料品の染依頼を受けて精練を施しました。

中古衣料品の程度には様々ありまして・・・染Cavaの強敵です。何がと言うと 目に見える付着物 見えない付着物。目に見えているモノを退治しても見えざる敵がそこにいる。

ひとまず苛性ソーダでアルカリにした水溶液による加熱精練を施しました。

げげげっ 
その廃液は画像紹介できないほど見事な飴色となっていました。匂いといい、見事なモノです。

水洗いを何度もした後、もう一度精錬をしました。
そして入念に水洗い。

まあ、これで表面的には良いような気がします。ただ片方はチャック部分が壊れているようで、染めるのがもったいない様な気がします。でも、せっかく精練したし・・・

捨てましょか? どうしましょ、相談しましょ、そうしましょ

目に見えない付着物「腋鉄」(シャツの腋部分に鉄分を含んだ汗がしっかり浸透してカチオン化となり、染色の際に思わぬいたずらをしてくれる現象につけた呼称)の心配もあります、その影響はないと考えられる天然藍で染める事にしました。

さて、まかされた身、仕上はどうしましょ・・・ ろうけつでデザインを施そうか そのまま単色にしようか、二色にしようか・・・ 相談しましょう そうしましょう。

手強い中古衣料品に独り悩む染Cavaでした。

さて、画像は精練後のシャツ(そんな無垢シャツに色気を感じる)と、前回ブログの次の日に仕上げたかってに金赤と呼ぶ糸(気になる?後のTシャツは次回紹介します)でした。