8.31.2013

Optimismo 


2013831

サンティアゴ・アティトラン市「天然染色研修センター」の開所式にお邪魔してきました。
たくさんお褒めの言葉を戴き校長先生の体調が復調する事を祈ります。

思い返せば

一年九カ月前に建物ができて、二ヶ月前に指導者育成のための研修が始まり、一週間前に電気が通って、二日前にブロック壁の6割を白く塗って、当日朝に草むしりをして、待望の開所式が始まりました。

私も直接一年半関わりました。

出席したある人は言いました。
「中身が揃ってないのでは・・・?」 はい、その通りです。

開所はしたものの、残念ながら揃ってない物が殆どでした。実際、指導者研修は校長先生の道具類を借りたり、材料費を原価で譲ってもらったりした上で成り立ちました。

でも、

一つ、皆が集える建物が其処にあります。道具類や原料は一年くらいの間には揃う事でしょう、二つ、少なくとも3人は他者に天然染色技術指導ができます。4人は自分で染める事ができます。

「サンティアゴ二粒の種」の今後はどうなっていくのでしょうか? 興味深いです!
ご近所にお寄りの際は ぜひ立ち寄ってみて下さい。

8.27.2013

雨季も再び新局面

雨季中休みを終えたアティトラン湖界隈に再び強い風雨が戻ってきました。
そして、天然染色研修センター開所式まで残すところあと三日となり、
新たな局面を迎える事になりました。

しっかとした資金援助の橋渡しができなかったマノスウニカス、
 

天然染色研修センター無償支援活動は今回の指導者育成指導を契機に一旦お休みして、
今後は、地元マヤ人たちが中心となる研修センター運営を静かに見守りながら、
隣町サン・ペドロを拠点にして、自己の天然染に集中する事と致します。

少々手前味噌的ですが

最低限必要な「仕事の種」は指導者育成と云う形でしっかり残すことができたものと思います。

「種」と言えば、

Santiago Atitlanに付ききりで携わった指導二ヶ月の間に、
2009年~2011年、共に励み「仕事の種」を撒いた隣町San Juan La Lagunaの職人さんたちが実に面白い様々な試みを行なっていることを知りました。

そんな「種」をたくさん撒いた甲斐があるというものです。

また、町一番糸の手紡ぎが上手な職人さんには、手紡ぎ糸を使った天然染用特注品をお願いしてみました。

今後益々、
天然染色を中心とした様々なモノづくりや、前述の新たな試みをたくさん紹介していけることと思います。

皆さま 今後ともマノスウニカス、グアテマラ・アティトラン周辺の動向にご注目ください。よろしく願い致します。
 
画像は ごく最近、コチニールで染めた手紡ぎ糸のストールと染糸でした。
 

8.14.2013

ビッグ・ウェンズデイ (研修第六・七週レポート)

大きな区切りがやってきた
(知る人ぞ知るかの映画の冒頭シーンをまねてみました)

ばんざーい。

児嶋校長先生による天然染色基礎指導延べ13日間。校長先生体調不良によるその後は、復習のみで問題なし繰返しのはずだった研修が、まったく学習していないに等しい生徒さんたちを前に愕然とし、心機一転、助手の私と石川智子氏による延べ20日間の指導・教育・・・教育とはどういうものなのか日々考えさせられると共に、グアテマラ基礎教育の不甲斐なさを痛感する事になりました。

(思い返せばサンファンでも同様でして、お陰で自身の知識が充実していきましたっけ・・・)


教育関係者からの情報によると
優秀2割、まあまあ6割 学習不十分2割が通例なそうです。
この度の研修の生徒さんは如何でしたでしょう・・・

他者に対して説得力ある説明をしながら指導できそうな人が一人。まあまあ説得力ある説明をしながら指導できる人が一人。かろうじて指導できるであろうと云う人が一人。説明に訴求力があるが実地が不安な人が一人、人に説明しなくても必ずや良い職人にはなれるだろうという人たちが二人、やる気はあるけど出席日数が少なくて不十分な人が一人、出席していてもおしゃべりばかりで集中力なく不十分な人が一人、途中から来なくなった人一人。というほぼ通説通りの結果でした。

これから生徒さんは自習に入ります。自習だけでは問題がありそうなので、来週からは週二回ペースで研修センターにお邪魔して面倒をみます。また、遅れている人の集中トレーニングも考慮に入れています。

というわけで、

まったくの無報酬、交通費は出るかもしれないが履行は先の先という、それって偽善だろう?と勘違いされそうな研修も終わりに近づいています。なんの、教える事によって自己知識の整理整頓、科学的検証を幾分図ることができました。これからの課題もたくさん見つかりました。そして連日の指導は今日まででーーーーーーす。これらをばんざいと云わずにおれません。

研修所に残す課題は使用済み銅媒染の環境負荷低減処理。マヤ人が迷わない確固とした処理方法を提案しなければなりません。先の石灰による処理は不適切であったと反省しなければならないようです。その点、排水処理の日本人専門家の暖かい指導を受けていますので(この場をおかりして、Mさん本当にありがとうございます。)確立まではもうあと一歩といったところです。

そんなこんなで830日に開所式が行われます。
大きな区切りがやってきます。

このブログをご覧になっているであろう校長先生!
ご安心ください。生徒たちは児嶋流天然染色技術の担い手として立派に育っています。
 
さて、画像は研修生と一緒に仲良く帰るオソさんでした。

もう一度 ばんざーい。
教育者の実感を持った初めての記念すべきその日です。

8.04.2013

愚痴よさらば (研修第五週レポート)


がーーーん。 

莫大な量の発注)を頂戴しました(但し、先生も生徒も完全無料奉仕、儲けなどありません)。本当にできるのでしょうか? 次から次へと追い立てられ気分、研修なのに既に本番という、正に緊張感あふれる展開となってきました。いよいよマゾ的ハイテンションが始まります。

注文を受けたとはいえ、復習週間となった五週目を終了して痛感したことは、
「今まで何を学んできたの?・・・生徒さん」理解力不足
「むっ?なかなかできる生徒が二人・・・育っているかもしれない」芽が出た。の二点。


大先生は4週目早々、体調を崩して、一足先に首都の実家へ帰還され、助手二人だけによる指導が続いております。幸い生徒さんは元気に学び舎に通い続けておりますが、ものすごいエネルギーが費やされる日々、正直ヘトヘトヨレヨレ気分故、大先生の状況がとても理解できます。
なんの、そんな体に鞭を打ちましょう!!!

さて、前述の感じた事について詳しくお話しします。

理解力不足は基礎学力レベルの低さに大きな問題があると考えます。この度の研修の生徒さんは15歳から30歳までの読み書きができて基礎教育をしっかり受けてきた方が対象になっていますので、以前行なわれたどの研修生と比べても能力的に優位であると考えられますが、それにしても、掛け算、割り算、単位の置き換え、%計算など、大多数ができないため、基礎研修内容について丸暗記をしたとしても、染め糸の量が変わった際など全く応用が利きません。加えて、他者に対する天然染色原料の説明、染色工程、専門用語、暗記しなければならないこと、更に、笑顔で説得力ある説明技術等々、要求は複雑多岐に亘るため、生徒さんは相当な努力、忍耐が必要になってくるのです。

というわけで、小学校低学年程度の算数なども紐解いて教えなければならなくなりました。また、しっかり覚えるために、生徒が先生になる訓練、作業中の天然染色クイズ、理解できない生徒の重点指導等々、実に盛りだくさんメニューとなりました。そして、敵はかれらの携帯電話とおしゃべり。叱る事を良かれとしないマヤ人達にはジョークを交えつつ悟らせるように努力を図りますが、むなしくもソレは更なるおしゃべりを招いてしまうことが多々あるのです。
 

勿論、教える側にもスペイン語語彙の増量、表現力アップ、忍耐が益々必要となってきておりまして、急造教師の切なさ・・・などと感傷に浸っている場合では無い模様。そして、忘れてはいけません。教えると云う行為で自分の知識がより良い形に整理されることになります。この場は、時間がないなどと愚痴を申さず、とてもありがたいできごとと心から感謝しなければなりません。己の未熟さに喝!

画像は真摯に学ぶ?生徒さんでした。