12.27.2013

大いに喘ぐ年末


一難去ってまた一難、

木綿摘んで、糸手紡ぎ、後帯機で手織りをして、天然染色手染を施す全手作業ストール製作に関して新たな不安が盛り上がってきました。染で悩んだりサイズで悩んだり様々ですが・・・

問題は織作業です。

Cavaでは二種類の織を主力としています。一つは手作りなのに作りが奇麗で行儀良いもの、もう一つは手作り感が強くカジュアル感が感じられるもので、どちらも平織りで、シンプルな構造で軽量化を図りました。

前者は「行儀が良い」後者は「手作り感が強い」といってもどちらも織の完成度は高いので「なんとなく違う様な」そんな程度の違いなのですが、ABタイプをご注文いただいた依頼人には織タイプをどちらか選んでもらっておりまして(Cタイプは前者のみ)そんな確認をしている中で後者の問題が浮上してきたのです・・・

先々先週からお願いしていた手作り感の強いカジュアルタイプ「縦糸二本横糸一本もしくは一本一本の平織り」ストールが一向に仕上がらないので、訪問してあれこれ確認致しますと、「織の途中で何度も糸が切れてしまいなかなか捗らない状況」にあって(見た目は簡単なので職人はすぐそんなの容易い事とやりたがるも後悔することになる)職人が悲鳴をあげていました。

以前、仕事中に有無を言わさずぶつぶつ切れる「縦横一本一本織」については、Bタイプ450mm以上の幅のモノについて既に諦めておりましたが、二本一本については実際に何枚か作った実績がありまして一般紹介は問題外なはずだったのですが、これまた名人芸である事を改めて認識しました。

できる人にはできるが、できない人にはできない。更にできる人は少ない。と云う事がよく理解できます。
織職人を増やして製作に取り掛かったことと、時間的制約を設けた事に原因があると考えます。

職人の自信過剰や仕上がりのイメージ違いは想定内の事でもあり現在予約頂いているモノに関しては時間的余裕があることから、今のところ喘ぎながらも楽観視しています。この様なことが起きるのも愉快な現実としておきましょう。また、まだ量産してはいけないという忠告なのかもしれません・・・ 

でも、見事に出来上がりまして皆さまのお手元に届いたなら、織職人への拍手万雷をお願いしたい気分です。実際には拍手が聞こえてくるはずはないので、そんな皆様にはそんな商品を大いに自慢して頂きたいと思うのです。

明日は届くといいなあ・・・。

12.22.2013

無垢がピンクに変わる時

その時、チャットをしていたストール依頼人から「天然藍は持っているのでコチニールの様々なピンク数色で、縦の帯状がイイ」というリクエストがありました。

当初案内していた事とは異なるリクエストに、職人の一人として改めて認めて頂いた実感強く、嬉しくなってニヤニヤした瞬間でした。未熟な職人55歳、たわいなく幼いものです。

はじめは手作り感あふれる後染めをイメージしてみましたが、既存の道具では極めて困難だということに気がついて先染めを施すことにしました。

3タイプのピンク。色違いがはっきり解って、それでもそんなには違わないでしょう風が狙いです。

染料割合を工夫しながら、既成工場糸で試し染めをして改善点を掴んだタイミングで、各パートの紡ぎたて糸が隣村から届き(毎週頼んでいる事なので準備済みとのこと)本番染に入りました。

さて、いつもは織後に戴いていたモノです。糸で届いてみて、手紡ぎのぬくもりを更にたっぷり実感できました。無垢です。ムクムクです。工場糸とはまったく違います。生まれたての赤ん坊の様にふかふかしていて、傍らで仕事をしているのでしょう、薪のカマドの匂いがほんのりします。正に生き物。凄い。

染め上げました。ピンク・ピンク・ピンクいやあ愛しい。恋をしてしまいました。
早速これからマヤ伝統後帯機による織に入ります。

ちなみに以前紹介した事がある染方法とは相当異なります。カチオン剤も使わずに高価な原料もあの頃の半分近くに減らして、手間暇かけて、しっかりと染める事ができました。様々研究してみるものです。今後は後帯機による織りも実践してみようと思っています。

12.14.2013

せいこさん最高


旅人の間でも有名な、いつも明るくて太っ腹なせいこさん。

 
 
昨年は某TV局の取材に応じて、彼女が運営するグアテマラ日本食レストラン「Allala・あじゃらー」がたっぷり30分ほど紹介されたので、ご存知の方もきっといることでしょう
 
 
 
対岸の村、San Marcos la lagunaにあるそのレストランでは、日本人以外の外国人にも味噌汁や手巻き寿司が人気で、特に食べ放題で様々なプロ音楽家や自称音楽家が一堂に会する、毎月15日の寿司パーティーは大人気、開店と同時に人々が殺到します。



そんなレストラン経営者のせいこさんは 昔 美術の先生をやっていたことがあって、店内には様々ご自身が手掛けた絵や置物が飾ってあり、一種独特な雰囲気を醸し出し人々を魅了しています。
 
 
 
勿論、手作り工芸品などにも一言を持っているので「染Cava品」を紹介する時は緊張しました。でも、紹介してみるものですね! 画像の通り満面の笑み・・・今週からお店で取り扱って戴くことになりました。 あーうれしや

 
 
明日は寿司パーティー、染Cavaもカバキーニョとパンデイロ、歌で地元パーカッション奏者と共演します。オーガニックコットン・手紡ぎ・手織り・天然染色手染ストールのオーダーも入ると良いなあ・・・
 
 
 
のりのりなせいこさん画像ストールは天然藍のしぼりとコチニールで紫を施したものでした。
 

12.09.2013

なんて幸せなんだろう な 日 


数日前の事、
ビッグサイズ(Cタイプ)ストールをとても奇麗な紫と藍色に染め上げました。
二週間以上前、噂を聞いて工房に突然やってきた英語しかお話しできないお客さんから註文頂いたストールです。
嬉しいはずなのに、達成感が得られませんでした。何故?

仕事仲間であるサンファン村の職人さんには、週一ペースで様々なパターンで織って戴いていて、随分呑気・・・と思われがちですが、綿花収穫、手紡ぎ糸、手織、そして天然染料手染めを施す。この繰り返しで、問題がある都度一人頭をひねり、また仲間と頭をひねったりする日々でして・・・
 
そんな中、見本といいますか、商品そのもの数点見て「このタイプの大きなサイズが欲しい」と前述の米国人。「似たようなのはできるけど、少し違います」と染Cava、「じゃあお願い」「えっ・あ・はいわかりました三週間待って」と云い取り掛かりました。

その後、縦横一本、横糸一本の平織で、更にマヤ人伝統後帯機で幅広タイプを織るのは(足踏み高機ではほぼ無理)極めて困難なため(ぶつぶつ糸が切れて一向に捗らない)断念し、縦横二本ずつ行儀の良い仕様にして、奇麗な仕上がりとなり、また、乾季綿のため、雨季綿に比べてソフトとなり、染め上りも奇麗になったためで・・・要するに奇麗にできてしまった事が冒頭の悩みに繋がったのです。

均一な糸、織の並びが奇麗だとはいえ、手作り感の点で注文品とは、だいぶイメージが異なる仕上がりとなり達成感不足に繋がったわけなのです。

「こんなに違うんじゃー私買えませーん」と言われるのは悔しいではありませんか・・・更に二品、染だけで、ほどほど手作り感を強めるモノに改善して、そのうち一つでもヒットすればいいやと思い・・・とうとう本日がやってきてお客様に会いました。

杞憂でした。全部気に入って戴きました。
拍子抜けです。それぞれの個性と認めて頂きました。
言葉が双方自在では無くても、試着してキラキラしてくる感じが実感できました。
 
決して安いものではありませんが、お金がある分で、といって二枚お買い上げ。
その上「来年また来るから、よろしく」
・・・感謝までされて、とても嬉しい結末でした。

手から手への成せる業だと痛感しました。

また、何がどうして最初のイメージと雰囲気が異なるのかについても、誠実にちゃんと説明できました。そんなこんなな今、幸せ感に浸っています。
 
さて、画像は納品前のソレ!この件について、そして織について様々教ええ戴いた、日本でもファンが多いサンフランシスコ在住の織物作家・小林愛子さんの宿泊先へ押しかけて、プロモデルである娘さんマリさんに着用して頂いたものが、この度話題のビッグサイズ・ストール(Cタイプ)です。ちなみにグアテマラ生まれのマリさんはグアテマラらしいオーダーメイドの素敵なブーツをプロデュースしています。

ありがとうございます。全て、なにもかもに感謝しています。

12.05.2013

染Cava爽やかご近所さん

まばゆい太陽の下、染Cava工房のテラスで
御近所爽やか姉妹・チュシータとエレーナにストールを纏ってもらいました。

お姉ちゃんのチュシータは 
一番大きいCタイプの二色染(藍とコチニール紫)

エレーナちゃんのは 
以前紹介した両端にそれぞれ藍とコチニールピンクを施したAタイプ 

高貴な紫と少し濃いめの藍のはずですが太陽の下で色の印象が随分違ってきます。
 

12.01.2013

天然Cavaにつける薬は無い。 

雨季が終わり、乾季が始まる季節の変わり目に吹き荒れる風がやっとおとなしくなってきた San Pedro La laguna・Guatemalaからです。

天然「染Cava」店頭デビュー間近につき、少々浮かれています。カバを反対にして天然バカと大声で呼んで戴いてもかまいません。還暦が日に日に近づく今、こんな人生が待っていたなんて夢にも思っていませんでした。つまり気分爽快です。

店頭品の品揃えは・・・ 

店頭販売用の「天然染糸」は刺繍やら自分で織物をする人のためのものです。
しっかりした強い色に染めて、それをセールスポイントにしました。

そして、ろうけつ染Tシャツ、ろうけつ染女性用タンクトップ、個性強いデザインを提供していきたいと思います。(ブログ内で紹介しています。)

そして、心血注いだ
隣村産オーガニックコットンを手紡ぎして手織りして、天然染料で手染めを施したストールは、胸を張ってお薦めできる品です。

この自慢の3シーズンストールは2014年3月下旬の染Cava束の間帰国記念予約受付対象品です。

本日の予約用デザイン紹介画像は 天然藍の「ざっくり絞り」 

浅く染めた後に絞りを入れて更に染め上げます。染前に絞ったコチニールのピンクは自分専用で、右隣りの藍を施したものが紹介デザインです。

ちなみに背景左側の大きなサイズは米国人から受注したCタイプのストールで、ベースに藍を施して、これから紫をのせます。

何もかもが手作業で、出来上がるまでにそれ相応の時間がかかります。
 
どうか、なるべくお早目に予約お申し込み戴けることを願っています。

尚、予約に関するブログ情報は このブログの右側にある11月のブログをクリックした後、タイトル「染Cava品が欲しいって言って欲しい・・・」をクリックしてご参照ください。ご面倒をおかけします。