2.21.2014

私のしあわせ

安全・安心・素性明らか・・・
それが。当時勤めていたブランド力を持ちながら小さくも個性豊かな企業の合言葉でした。


数年前のこと、恐れ多くも私はそんな会社で製造(食品)部長、兼、商品開発チームリーダーを任せられ、商品企画・設計・生産に携わっておりました。初めに言っておきますが今も変わらず好きな会社で、そこの発酵バターは大好物の一つです。

そんな商品開発・生産に携わる身として「利潤追求する企業が安全、安心というお題目を掲げながら複雑極まる社会・大衆を相手にすることは生産行為に限りなく効率化を求めることとなり、大量生産無人化を強いる事であり、資金を必要として人を必要としない、あたかも人無き人間社会形成であって、そんな社会にどんな幸福があるのだろうか?」と思っていました。

人はあらゆる菌類を身に纏い時に製品を汚し、未熟さや脆弱精神も手伝って間違いも犯します。食品衛生上の安全安心追求には人による製造がどうやら不適切であり、無菌状態、疲れ知らず一定作業が可能な機械がソレを代わりに行い、内容は複雑多岐に亘り、複雑さは更なる複雑さを育みます。そこに冒頭の「素性明らか」と唱えてみても、果たしてそこにどんな意味があるのでしょう? と、更なる疑問が増えました。

また、どれだけの人がそんな複雑多岐に亘る工程を全て深く完全理解してコントロールできるものでしょうか?(あえてそれに立ち向かう人々、今も励む当時の同僚たちに対して尊敬の念は止みません。勿論皮肉ではありません。)最近では、原子力発電の仕組みも頭にチラつきます。

人が作りうる高度技術なるもの全てを疑い、淡々と貧困を生みだす資本主義社会に疑問を持つ者の一人、銀行、財閥が嫌いで、概ね大衆に真理なしと思っていて、資本主義が作る民主政治など全く信用していません。共産主義ではありません。ただ、幾許かの幸せ、伴侶、飯、健康、酒、医療を願うものであり、あえて表現すれば「自由・個人主義」なんだと思っています。

「染Cava」の仕事は自分一人で全て管理できます。時にミスもします。ミスも償える範囲です。手仕事を敬い手の届く範囲で関わった商品を手渡ししながら幾許かの幸せを得る作業です。

こんなこともっと早く気がつけば良かったと思うことがあります。でも、企業に属したことで自分の生きるべき範囲を知ることができました。また、早く気がついていたなら、不良仲間交友、様々な仕事の面白さ、スキーレースの面白さ・怖さ、ブラジル音楽鑑賞と演奏、そして多彩で親愛なる人々との交流、そんな刺激的で素敵な事柄を知らないまま生きていたのかもしれません。 

そんな今に幸福を感じます。

一つ後悔していることは知恵や知識は大切で、知恵や知識を知るには若い方が絶対に良かったとい言う事、その一点です。

掲載画像は染Cava工房内で日中から幸せそうにゴロゴロしている可愛い居候でした。

2.18.2014

こりゃ素晴らしい!

Cava「藍染め体験教室」を充実しました。 

天然藍の理論を掻い摘んで学んで頂き、実際に綿糸を濃・中・淡・極淡の青系四色の染体験をして戴きます。(ご希望に応じ二色のみの体験コースもあります)その後、自習復習を兼ねて、そこにある染液の残りを使ってご自身の持込み品を自由に染め上げる事ができる特典付きです。


時間的には染Cava指導・体験で3-4時間ほど、その後、帰りたい人には帰って戴き、復習を兼ねた染を行いたい人には残った染液を自由に使って戴き、夕方まで、染Cava工房でどうぞ遊んでいって下さい、という内容と致しました。

Cava直接指導時間が終了するころには程良く昼食時間がやって参りますので、木・金・土に限ってはSanPedro在住日本人調理人提供の名物「照り焼き豆腐バーガーQ20」の出前依頼が可能で、また他に、拙宅調理場シェア飯も可能です。

体験によってもちかえることができる染糸四本では、織り方にもよりますが35cm×185cm程のストールをつくり上げる事ができますので、最良のお土産品となることは間違いありません。また染糸を使って自分で手織りしてみるのも素晴らしい体験になる事でしょう。

これまで、遊びに来た旅人達はそれぞれズボン、ハンカチ、靴下、カーディガン、スカーフなどを持ち込んで自由自在に絞りを入れたりしながら楽しんでいました。

但し、染液には限りがありますので、一人当たり薄手の長袖シャツ一枚位と帽子程度、もしくは、小さなスカーフと靴下など、300g位が染め上げ限度かと思いますが、淡色ならある程度は引っ張れます。

というわけで、この度の画像はそんな旅人が染め上げた綿糸四本とパーカー、帽子です。
 
ねっイイでしょ?  
受講価格は42g綿糸2本でQ110、4本でQ150、SanPedroヒッピー価格、ごっつう格安、もってけ泥棒価格です。

連絡先は 
グアテマラ502-51209733。FacebookHotmailOKです。 
Cavaは携帯電話の携行を怠る事がありますが、夜7時頃なら必ず通じるはずです。

皆様のお越しをお待ちしております。

2.11.2014

ファッションを寝床にて学んでみる

気がつけばはや2月中旬、頑固な腰痛は相変わらずでして、染は少しだけ、ほぼ読書とストール研究に努めておりました。

世の中には様々な専門家がいて該当する世界を実に深く研究しているものだなあと感心させられること多々、ストールというテーマ一つに絞ってみても実に豊富なアイデアがあることに驚きと関心は高まるばかり・・・また、そんなアイテム紹介ファッション誌に登場する表現の数々は、何かしら歯切れよく、その時々を反映していて、誘導・販促的で、時に威圧的で時に可愛らしく、そんな雑誌をニヤニヤしながら眺めておりました。

「背伸びのないリラックスした通勤服」「フォークロアな切り替え」「癒し効果抜群のグリーン」「海外だと女はこれからが旬」「ミラーナといえば・・・」「今シーズンのテーマはネイティブアメリカンとモンゴル」「アラサーが恋愛の旬」「ニコがヘビロテしていたのが・・・」「とにかく早い者勝ちかも?」・・・

商品紹介で使われている表現は実に面白いものです。グアテマラ生活上、全く無縁の世界かと思っていましたが、天然染ストールなどを販売するようになってから個人主義と対極にあるそんな世界を傍観することも意義あることと思いました。なんていったって食うためです。

一見個性を追求している様に見せかけていて実は個性を否定し、見本を示して不安を植えつけて、一時的安楽の場に人々を導き消費を促している事は明白ですが、こういった事柄が多くの人々の心の奥底に刷り込まれていく現実は無視できません。

また「●◎な色は老けて見える」「×▲は血色が良く見える」といった色とその印象傾向についても教えを戴きましたが、実際にはセオリー対象となる色は確かにある人には似合わないのだが、別のあの人にはピッタリであったという事も多々。そもそも、似合うか似合わないについては考え方一つでいつでも覆ります「老けて見えるのがかっこいい」「血色が悪い方がかっこいい」ということも実際にはアリなのです。

あくまで個人が対象です。というわけで、せっかくの様々なアイデアはじゃんじゃんストール製作に活かしてみようと思います。でも、セオリーなどはほっておいて、その時の直感で自由に作れば良いのだと云う結論に達しました。日本市場勉強の成果と言えるのかもしれません。今後も時々業界を覗いて傾向を探ってみようと思います。

話は変わりますが「染Cava藍染め教室」始めました。旅人の間で好評です。
皆さまも是非一度サンペドロヘ遊びにいらして下さい。

画像は教室に参加した方が自分の染糸をマヤ人に織ってもらって出来たスカーフで、横に立つ可愛いらしい女の子は、ながれちゃん。日本人宿「ながれの家」の看板娘です。