4.29.2013

「こっちに居る」そんな天然染

こっちに居る・・・綿糸、コチニール染。

過日アルミ媒染、銅媒染で仕上げたコーヒー染めタンニンベースの糸を更に、
乾燥させたカイガラムシ・コチニールで作った真っ赤な染液で染め上げてみました。

教えによると 
コチニール染はアルミ媒染が良いとのことでしたが、
またしても自分で確認してみたい病が膨らんできて銅媒染も試してみました。

如何でしょう、仕上がりは画像の通り、
色の対比にと、前回染め上げたPalo de la Vida染と一緒に並べて撮影しました。
ピンクがアルミ媒染、薄い赤紫が銅媒染で仕上げたモノです。


このコチニール。
ペルー産、メキシコ産、ボリビア産のものが今は主流となっておりますが、
化学染料が発明される以前、かれこれ150年前に遡ると、ここグアテマラが生産量ナンバーワンだったとのこと。

なるほど、グアテマラ国内を走る長距離バスの車窓から、場所によっては
一面のノパル(コチニール棲みつくウチワサボテン)畑を確認することができます。
(当時の様子については児嶋先生の奥様、児嶋桂子氏が翻訳した、19世紀の偉大なる冒険旅行記録、中米・チャパス・ユカタンの旅)上下巻、人文書院で確認する事ができます。)

また、この度コチニールを購入したボリビアやペルーに住むインカの末裔たちにとって、
煎じて飲めば胃や腎臓に効く特効薬。とても重宝しているように感じました。

そう、
至極最近では、超有名米国発コーヒーチェーン店が、自社商品にこれまで随分使っておきながら「安全性確認はできている。しかし、一部顧客から食品に虫を使用するイメージの悪さを指摘され、今後は化学染料を使用しコチニールは使用しない」と、お客よりも投資家の顔色を窺うかの国らしい発表をしたことで、一部から注目を浴びました。

顔色を窺うと云えば、
コチニーヤが醸しだす魅惑色彩を見ていると、自然の節理を無視する俗世界の出来事とは無縁な美しい世界がそこにあることに気がつき、どうやら今はホッとした心境です。

4.24.2013

コーヒー染にヒーヒー

南米旅行からコチニールを片手に帰国して一ヶ月半ぶりの染です。 

児嶋先生から
「いやあ ソレは あまりお薦めできませんね・・・」と言われていた
使用済みコーヒー豆を使いました。

それと、すっかりお気に入り染料となった Palo de la Vida。 
マヤ人は煎じて飲むと胃腸や腎臓に良いと言っており薬草扱いで、
一説では、南米アルゼンチンの高級木材として紹介されることが多いPalo Santo(聖なる木)と同じものであるとのこと・・・
(どなたか是非真偽のほどを教えてください。)

 
 
コーヒー豆(画像左から二番目と五番目)の染

どのくらい染料に向いていないのかを自分で確かめてみたかったことと、
仮に薄く染まった場合、それをベースにしたコチニール染めに向いているのではないかと、思いついたことであり・・・

試してみると確かに弱い染料であることが確認できました。
こんな感じならマヤ人が薪にしているコーヒーの木の幹などのほうがよっぽど染料として良質でしょう・・・と、言い切る前に、
後ほどこのブログ上で確かめてみることに致しましょう。

そしてPalo de la vida(画像左端と四番目)
自分でもうっとりするぐらい美しい染め上りです。

アルミ媒染を使ったものは、35年前、初めて日本に登場して、
借金までしながら買ったイギリス製某社のセーターと同色ノスタルヒア。
思い出がよみがえります。そして、
画像はちょっと紫がかっていますが、銅媒染のソレはこげ茶です。

というわけで、久しぶりの天然染色でした。

さて、コーヒーものはこれからコチニール染めに使う予定です。
その様子は後ほど!