3.12.2013

天然染色、媒染剤「銅」処理はドウするの・・・?

洒落ている場合ではありませんね!まったくもってタイムリーな質問が届きました。

以前、専門家の方にとても親切に相談にのって戴いたことなのですが、
自然環境にダメージを与えてしまう恐れのある「銅」の処理方法について
このブログ上で明らかにしたいと思います。

1.排水基準は?ドウなっている?

★グアテマラ アティトラン湖の銅、        排水許容量   0.5mg/L以下
(日本の環境省が示す排水基準3mg/Lよりはるかに厳しい基準となっています)



2.天然染色で使う銅媒染、銅の分量はいったいドウなっている? 

★其々各作業後の廃液は許容値を超えるものであり余分な銅を取り除く必要があります。

 a.染用の綿糸を銅媒染液に付けて洗浄した後の廃液 2.08mg/L  処理必要
 b.染処理後の銅媒染液そのもの          381mg/L  処理必要
 c.染処理後に銅媒染液と染液を混合した廃液    200mg/L  処理必要 


3.では、ドウやって銅を取り除く?

★前述から、銅媒染液そのものの銅の分量は5リットル中で約2gとなりますので、そこに、濃度40%の塩化第二鉄を約20ml加えて(銅と同等以上の分量)攪拌した後(均等になるよう念入りに)、苛性ソーダや消石灰を使いpHメーターなどを見ながらアルカリにしていくと、鉄と銅がくっついて沈殿していき銅を取り除く事ができます。
 

4.これで大丈夫と思ってはいけない・・・さてドウしよう?

★銅を取り除いた後の廃液は強アルカリです。中和する必要があるのでpHメーターなどで確かめながら希硫酸や希塩酸をほんの少しずつ滴下しながら中和します。濃硫酸や濃塩酸の場合は10倍位に薄めて使い目標値はpH7.0(許容値6から9)中和出来たら排水OKです。

★銅は産業廃棄物なので、家庭ごみとは一緒にできません。サンティアゴの天然染色研修センターでは廃棄方法が今のところないので当面は保管という事になります。でも、分量的にはそれほど多くはないので置き場所に困ることはないでしょう!

ということになります。
後世に汚点を残さないためにも、何事も慎重にならざるを得ません。

画像は乾燥させたPericón を染原料にして
http://www.medicinatradicionalmexicana.unam.mx/monografia.php?l=3&t=&id=8002
銅媒染(画像上)を使用した場合と、アルミ媒染を使用した場合の染糸。

美しいものには棘がある。

0 件のコメント:

コメントを投稿